インプラントはいつダメになる?寿命が縮む原因と注意点を解説

インプラントの寿命とは?基本を理解しましょう

インプラント治療を検討されている方、あるいはすでに治療を受けられた方にとって、「インプラントはどれくらい持つのか」という疑問は非常に重要です。

インプラントは、失われた歯を補うための優れた治療法ですが、永久的なものではありません。適切なケアと定期的なメンテナンスによって、長期間にわたり快適に使用することが可能です。

一般的にインプラントの平均寿命は**10年から15年**とされています。ただし、これはあくまで平均的な数字であり、実際には患者さまの口腔環境やメンテナンスの状況によって大きく変わります。

インプラントは主に3つのパーツで構成されています。顎の骨に埋め込まれる「フィクスチャー(人工歯根)」、それと人工歯をつなぐ「アバットメント」、そして見える部分の「上部構造(人工歯)」です。

インプラントの寿命とは、主にフィクスチャーが顎の骨から脱落するまでの期間を指します。上部構造やアバットメントが破損した場合は、多くのケースで交換や修理が可能です。

世界初のチタン製インプラントは40年以上使用された記録があり、適切な管理によっては20年以上の長期使用も十分に可能です。

詳しくはこちらのHPをご覧ください

他の治療法との比較・・・インプラントの優位性

歯を失った際の治療法には、インプラント以外にもブリッジや入れ歯があります。

それぞれの平均寿命を比較すると、**ブリッジは5年から6年**、**入れ歯は3年から5年**とされています。インプラントの10年から15年という寿命は、他の治療法と比較して明らかに長いことがわかります。

ブリッジは隣接する健康な歯を削る必要があり、その歯に負担がかかります。入れ歯は違和感や噛みにくさ、ズレやすさといった問題があります。

一方、インプラントは見た目が自然で、しっかりと噛むことができ、周囲の歯に負担をかけません。治療には手術が必要で費用も高額になりますが、長期的な視点で見れば非常にメリットの高い治療法といえます。

当院では、患者さまのお口の状態やご希望に合わせて、最適な治療法をご提案しています。

インプラントの寿命が縮む5つの主な原因

① インプラント周囲炎・・・最も注意すべき合併症

インプラントの寿命を縮める最大の原因は「インプラント周囲炎」です。

これは歯周病の原因菌がインプラントの周囲に感染し、炎症を起こす病気です。インプラント治療後に起こりやすく、進行が早いことが特徴です。

初期段階では「インプラント周囲粘膜炎」と呼ばれ、歯茎の炎症に留まりますが、放置すると骨にまで炎症が広がり、インプラントを支える骨が失われていきます。

最終的にはインプラントが脱落する可能性があります。痛みが生じることもあり、状態が悪化すると再治療が難しくなるほど歯周組織にダメージが広がります。

② メンテナンス不足による細菌感染

日々のブラッシングを怠るなど、メンテナンスが不十分だと細菌に感染するリスクが高まります。

インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病と似た病気になる可能性があります。口腔内の清潔を保つことが、インプラントを長持ちさせるために不可欠です。

定期的な歯科検診とクリーニングを受けることで、インプラント周囲炎などの早期発見・早期治療が可能になります。

③ 歯ぎしりや食いしばりによる過度な負荷

歯ぎしりや食いしばりは、歯にかなり大きな力が加わります。

自然歯の場合は歯根膜という薄い膜がクッションの役割を果たしますが、インプラントには歯根膜がありません。そのため、過度な力が直接インプラントや周囲の骨に伝わり、破損や骨吸収のリスクが高まります。

歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、就寝時にマウスピースを使用するなどの対策が必要です。

④ 喫煙習慣がもたらすリスク

喫煙習慣もインプラントの寿命を縮める大きな原因の一つです。

喫煙をすると歯茎の血流が悪くなり、インプラント手術後に人工歯根と骨の結合が遅れたり、傷の治りが遅くなったりします。また、インプラント周囲炎のリスクも高まります。

喫煙量が多い方や、喫煙によって口内の状態が悪い方は、インプラント手術自体が受けられない可能性もあります。インプラント治療を検討されている方は、禁煙を強くお勧めします。

⑤ インプラントの質や取り付けの精度

インプラントのメーカーは多数あり、さまざまな製品が販売されています。

国内未承認のインプラントや質の悪い製品を使用した場合、寿命が短くなる可能性があります。また、不正確な取り付けは、インプラントと顎の骨がしっかりと結合しない原因となり、炎症や感染、早期失敗につながります。

当院では世界的に実績のあるストローマン社製インプラントを主に採用しています。
ストローマン社のインプラントは、独自の表面性状(SLActive®)により骨との結合が早く、治癒期間の短縮と高い長期安定性が期待できます。

インプラントは本当に痛い?手術中と術後の痛みの程度と対策を歯科医が解説

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インプラントを長持ちさせる7つの秘訣

① 定期的なメンテナンスに必ず通う

インプラントを長持ちさせるために最も重要なのは、定期的なメンテナンスです。

当院では、治療後も検診・クリーニングを継続し、長持ちする状態を維持しています。定期的なチェックにより、インプラント周囲炎などの問題を早期に発見し、適切な処置を行うことができます。

メンテナンスの頻度は患者さまの状態によって異なりますが、一般的には3か月から6か月に一度の受診をお勧めしています。

② セルフケアを徹底する

日々のブラッシングはインプラントを長持ちさせるために不可欠です。

歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュなども併用しながら、口腔内の清潔を保ちましょう。インプラント周囲の汚れをしっかりと除去することが重要です。

正しいブラッシング方法については、当院の歯科衛生士が丁寧に指導いたします。

③ 禁煙・減煙に取り組む

喫煙はインプラントの寿命を大きく縮める要因です。

インプラント治療を受けられる方は、できる限り禁煙に取り組むことをお勧めします。どうしても難しい場合は、減煙から始めることも一つの方法です。

禁煙により、インプラント周囲炎のリスクが減少し、治癒力も向上します。

④ 磨きやすい位置への埋入・磨きやすい形態の被せ物

インプラントの埋入位置や上部構造の形態は、日々のケアのしやすさに大きく影響します。

当院では、患者さまが磨きやすい位置にインプラントを埋入し、清掃しやすい形態の被せ物を装着することを心がけています。これにより、セルフケアの効果が高まり、インプラントの寿命を延ばすことができます。

⑤ 歯列全体の噛み合わせを考慮した治療

インプラントに過度な負荷がかからないよう、歯列全体の噛み合わせを考慮した治療が重要です。

当院には、噛み合わせ・被せもの・入れ歯・インプラントなど、各分野の専門医・認定医が在籍しています。複雑な症例や全体的な治療計画も、チームで連携しながら安全・確実な治療を提供しています。

補綴(ほてつ)専門医による審美性と機能性の両立を目指した治療も当院の強みです。

⑥ 歯肉の移植を行う

インプラント周囲の歯茎(角化歯肉)が不足している場合、細菌感染のリスクが高まります。

必要に応じて歯肉の移植を行うことで、インプラント周囲の組織を強化し、長期的な安定性を確保することができます。

⑦ 抜歯直後にソケットプリザベーションを行う

抜歯後の骨吸収を抑える目的で、ソケットプリザベーション(リッジプリザベーション)を行うことがあります。

これにより、インプラント埋入時に十分な骨量を確保でき、インプラントの安定性と寿命を向上させることができます。

詳しくはこちらのHPをご覧ください

当院のインプラント治療の特徴

当院では、インプラントの寿命や安全性を左右する「治療技術」「使用するインプラントシステム」「担当医の経験」を重視した治療を行っています。

骨をできるだけ削らずに埋入するOAM(大口式)インプラント法を採用し、身体への負担を抑えた治療を実施しています。

また、使用するインプラントには、世界基準で信頼性の高いストローマン社製インプラントを主に採用し、長期的な安定性に配慮し、治療の質を重視しています。

インプラント治療は、米国ニューヨーク大学インプラント科にて短期留学を修了したドクターが担当し、補綴(被せもの)・インプラント・噛み合わせの専門医・認定医が連携して治療を行います。

単に歯を入れるだけでなく、噛み合わせや清掃性、長期的なメンテナンスまで見据えた包括的なインプラント治療を大切にしています。

骨をできるだけ削らない「OAMインプラント法」

当院は、**OAM(大口式)先進インプラント認定医**によるインプラント治療を行っています。

OAMインプラント法は、骨を削らずに広げる手法で、従来のドリルを使用する方法に比べて、痛み・腫れ・神経損傷などのリスクを大幅に軽減できる安全な治療法です。

特殊な器具で骨をゆっくり広げながら埋入するため、骨を削らず、回復も早く、患者さまの負担を抑えられます。

骨との結合を促す表面性状などの特長により、治癒期間の短縮が期待できます。治療計画は骨の状態や噛み合わせに合わせて検討します。

経験豊富な専門医による確かな技術

当院には、補綴(被せもの)・インプラント・噛み合わせ・入れ歯の専門医が在籍しています。

機能性だけでなく、見た目の美しさや噛み合わせのバランスまで考えた治療を行います。複雑な症例にも対応可能で、患者さまに最適な治療計画を立てています。

わかりやすく丁寧なカウンセリング

インプラント治療は、初めての方ほど不安が多いものです。

当院では、カウンセリングの時間をしっかりと確保し、治療内容・期間・費用をわかりやすくご説明します。レントゲンやCTを用いて、骨や歯ぐきの状態を確認し、患者さまのご希望を伺いながら、納得のいく形で治療方針を決定します。

初診相談は随時受け付けていますので、まずはお気軽にご相談ください。

インプラント治療の流れ

① カウンセリング・診断

レントゲンやCTを用いて、骨や歯ぐきの状態を確認します。お口の状態や骨の量を確認し、最適な治療計画を立てます。

② 治療計画のご説明

患者さまのご希望や体の状態に合わせ、最適な方法を提案します。治療内容・期間・費用を丁寧にご説明し、納得いただいてから治療を進めます。

③ インプラント埋入手術

麻酔下で人工歯根を埋入します。当院では歯科で最も細い**33G極細針**を使用し、注射時の痛みを最小限に抑えています。痛みや不安の少ない安全な手術を心がけます。

④ 仮歯の装着・調整

骨との結合を待ちながら噛み合わせを調整します。噛み合わせや見た目を確認しながら、歯ぐきの治癒をサポートします。

⑤ 人工歯(上部構造)の装着

色や形を確認し、自然な見た目に仕上げます。噛み合わせを微調整し、快適に使用できる状態にします。

⑥ 定期メンテナンス

治療後も検診・クリーニングを継続し、長持ちする状態を維持します。インプラントを長持ちさせるため、定期的な検診・クリーニングを行います。

まとめ・・・医院と患者さま、双方の努力が長持ちの秘訣です

インプラントの平均寿命は10年から15年ですが、適切なケアとメンテナンスによって20年以上の長期使用も可能です。

インプラントの寿命を縮める主な原因は、インプラント周囲炎、メンテナンス不足、歯ぎしりや食いしばり、喫煙習慣、そしてインプラントの質や取り付けの精度です。

これらのリスクを最小限に抑えるためには、定期的なメンテナンス、徹底したセルフケア、禁煙、適切な治療計画が不可欠です。

当院では、OAMインプラント法などの低侵襲な手法と、科学的エビデンスに基づいた信頼性の高いインプラントシステムを用い、患者さまの負担を抑えた治療を行っています。経験豊富な専門医・認定医がチームで連携し、機能性と審美性を両立した治療を行います。

インプラント治療は、医院と患者さま双方の努力によって、初めて長期的な成功が実現します。「歯を失っても、”噛める喜び”と”笑顔の自信”を取り戻していただきたい」という思いで、私たちは日々診療に取り組んでいます。

インプラント治療に関するご相談は、下北沢駅西口から徒歩1分の下北沢西口歯科クリニックまで、お気軽にお問い合わせください。

詳しくはこちらのHPをご覧ください

著者情報

下北沢西口歯科クリニック 院長 平澤 正洋

<経歴>
昭和大学歯学部卒業

東京医科歯科大学歯学部非常勤講師

米国、ニューヨーク大学大学院インプラント科 短期留学 修了

<資格・所属>

厚生労働省認定 臨床研修指導医

日本補綴歯科学会 専門医(被せ物、ブリッジ、義歯、インプラントなどを取り扱う専門医)

日本顎咬合学会 認定医(咬み合わせ認定医)

インビザライン 認定

ストローマンインプラント社認定

ノーベルバイオケアインプラント 認定

日本口腔インプラント学会

日本歯科先端技術研究所

日本臨床歯科学会 審美治療・ラミネートベニアコースインストラクター